一念凡生 · 上下通円 · 97 / 102
花前飲・思いを植える

庭いっぱいに花が散り、杯を挙げて飲む。月がひとり照らし、長い夜に思いは濃い。若き日の間を揺れ漂い、酔った目で荒れた城を過ぎる。
万丈の塵世の事は拒みがたい。柔らかな香りのそばへ、清風が語りに来る。過ぎた記憶はもう持ち出すまい。繻子の帯が広がり、歳月の火が舞う。
語釈——
長更:長い夜。
*本作品は光之十一のオリジナルです。転載の際は原作者名を明記してください。権利侵害が判明した場合は、法的責任を追及します。挿絵はインターネットより引用したもので、著作権は原画作者のRedMatchaに帰属します。