一念凡生 · 我本頑痴 · 64 / 102
露華・人の思い

浅い浮華、憂いを忘れる香りを点じ、夢の事は遠ざかる。そこここに歓び、そこここで紅い薄絹が艶を競う。この情、この景色はこのようにあり、この記憶は今、消えてゆく。もとよりただ、人は草芥のようで、求めるのは平穏。
衣に花びらが巻きつく。まだ終わらぬ、比ぶものなき月。思いは沈み込む。誰が半生囚われることを恐れ、誰が初めての出会いのためにあるのか。天地を逆転させたいなら、駒ひとつなくても戦える。ひとつ趣を探し、舞う白雪に冷たい眼差しをすべて収める。
語釈——
紅綃[xiāo]:赤い薄絹。
繳[jiǎo]繞:取り巻く、巻きつく。
飛白:舞い散る雪。
*本作品は光之十一のオリジナルです。転載の際は原作者名を明記してください。権利侵害が判明した場合は、法的責任を追及します。挿絵はインターネットより引用したもので、著作権は原画作者の伊吹五月に帰属します。