一念凡生 · 上下通円 · 95 / 102
鷓鴣天・太初

私は天下のひとりの散人。閑あれば世を出で、紅塵を渡る。草木に依って生き、風と水を豊かにし、万物には霊があり、朝露に親しむ。
輪廻の鏡が、常の倫理を覆す。さらさらと竹の葉が低く吟じて語る。果てしない海を振り返ったことはなく、広い地、高い山とも、隣り合うに任せる。
語釈——
太初:形も質もなく、ただ先天の一炁のみがある、混沌よりさらに根源的な宇宙の状態。
朝[zhāo]露:朝の露。澄みきって純粋なもののたとえ。
比隣:隣り合って暮らすこと。
*本作品は光之十一のオリジナルです。転載の際は原作者名を明記してください。権利侵害が判明した場合は、法的責任を追及します。挿絵はインターネットより引用したもので、著作権は原画作者の伊吹五月に帰属します。