一念凡生 · 我本頑痴 · 68 / 102
楼上曲・夜になろうとする

楼の外、繫いだ舟は月の波を追い、楼の中の人は幾重もの戸に身を当てる。恐れおののき、西風が長い夜を守り、塵世の檻の中で狂気が育つ。
いつも灯芯の両側の影を見つめ、素手で剣を折り、悪夢を押し鎮める。高い梧桐が揺れ、白い花の香りは絶えない。空が白み、ひとり目覚めて、億万年。
語釈——
迫:抑えつけること。
雪香:梧桐の白い花。
万斯年:「億万斯年」の略。
*本作品は光之十一のオリジナルです。転載の際は原作者名を明記してください。権利侵害が判明した場合は、法的責任を追及します。挿絵はインターネットより引用したもので、著作権は原画作者の何何舞に帰属します。