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一念凡生 · 上下通円 · 85 / 102

並蒂芙蓉・半生遅れて

並蒂芙蓉・半生遅れて · 挿絵

明け方の月に眠れず、霧雨が葉を打ち乱す。銀の竜の水は尽きようとしている。白紙を青く青く染め、魂を集めればいっそう近い。時に従う幸不幸をよく知る。何もかも無常、恨むことはできない。低い雷が幾度も響く。昔を思えば、去る燕が立ち止まったことなどあっただろうか。

愛しい人は次第に霧の色を帯び、追っても跡は知れず、輪廻が横たわる。墨をすすぎ、蓮の繊維を浸す。夜の冷たさはいっそう残酷。誰が誓願を満たすのか。半生の疎遠に、互いを認めるのも難しい。言わず、問わず。今となっては、ただよそよそしさが増すばかり。

語釈——

夢雨:霞むような細かい雨。
応時:天の時に従うこと。
銀虬[qiú]:漏壺の底に付けた銀の流水口。漏壺は古代の時を測る器。

*本作品は光之十一のオリジナルです。転載の際は原作者名を明記してください。権利侵害が判明した場合は、法的責任を追及します。挿絵はインターネットより引用したもので、著作権は原画作者の何何舞に帰属します。