一念凡生 · 我本頑痴 · 34 / 102
華清引・深き盟い

繊々たる白い手が雲の筝を弾き起こし、いつまでも終わらぬ睦言。宝の炉には心の字の香が繚り立ちのぼり、紅梅を嗅げば思いは濃い。
柔らかな風が片々と花の庭に倦み、玉のような人の嗔り笑いは軽やかだ。香りの露を含むのを待てば、枝の雪は融けて晴れに化す。
語釈——
心字:心字香。心の形に並べた香を指す;
嗔笑[chēn]:笑いかけ怒りかけるさま。
※本作はオリジナルです。転載の際は原作者・光之十一を明記してください。権利侵害があった場合、発見次第、必ず法的責任を追及します。なお、挿絵はインターネット上から取得したもので、著作権は原画師・伊吹五月に帰属します。