一念凡生 · 上下通円 · 86 / 102
後庭花・通り過ぎる

深く眠り、幾層もの夢へ。いまだ究極は拾えない。奥庭の深い院で赤い杏を摘み、古い水が影を写す。
夢の中、幾重もの境を危うく越え、丸々百余年。心ではない七寸の急所、無言の重さ。わだかまりがわずかに静まる。
語釈——
擷[xié]:摘み取ること。
匪:副詞。「非ず」の意。
*本作品は光之十一のオリジナルです。転載の際は原作者名を明記してください。権利侵害が判明した場合は、法的責任を追及します。挿絵はインターネットより引用したもので、著作権は原画作者の古戈力に帰属します。